MS53U開発経緯
2004年7月、古い釣友のT氏からロッド開発のアドバイスの話を聞いた時、果たして自分が相応しいのか疑問があったことは言うまでも無いが、正直今更と思ったのも事実だった。今や市場に蔓延浸透したUガイド前打ちロッド群 その出来栄えはどれもこれも一長一短であり既存延長線上にあるこれら作品に、我々ヘビーユーザーから見た場合、お世辞にも触手が動くとは思えないカテゴリーだったからだ。
事実所有する各メーカーのUガイド前打ちロッドは20本近くあるが、そのどれもこれもことクロダイを釣るのにさして不満があるとは思えない。しいて言えば障害物を避けることが困難なポイント等で掛けたクロダイを引きずり出す為の操作性とパワーの面で不満がある程度であり、それは我々の世界では定番である磯竿の改良を試行錯誤しなから使用し、まずそれなりに事足りていた。
それでも一応話しを聞くよう説得され同年8月に話し合った結果、私が言いたいことは漏れなく伝え、この協力が有益になるかどうかは別として、自分好みのオリジナルロッドが出来るという仮定が釣冥利に尽きることを想像した。彼らの説得よりもむしろこの欲望が釣人である私には説得力があった。
引き受ける以上、私は全力を尽くす所存で話しは進み、この時極T超硬-53UMを手渡された。この竿、先にも述べたように今更メーカー製Uガイド前打ちロッドには興味が無かったが、しかし振って見て正直驚いた。Uガイドチヌ竿として私の所有する数々のロッドの中でも硬さと言う点ではトップレベルに感じられ、極前打ちスペシャル初代、次代とボタスペ等同社製のこの手のロッドも数本所有しているが、それらとのギャップに戸惑ったのだった。これのひと世代前のシリーズとは段違いだった。しかも持ち重りが少なく軽い。どうやら少しは進歩していたようだ。気になるのは耐久性だけか?この張りとパワーがあればへたな磯改良ロッドなど要らないかもしれないとその時感じ、さっそく実釣せずにはいられない衝動にかられて中央堤へ繰り出した。私に出来ることは釣ることだけだ。
2004年8月22日(中央堤)
この日は幸運にもクロダイの活性が高く、5人で66枚、私は35〜51.5cm迄のクロダイを22枚釣り上げ、ロッドの調子を見るには絶好の釣り日和だった。いずれも調子を見る為、あえてイト出し無用の主導権取りっぱなしの釣りを展開し、針ハズレのバラシは別として、特筆すべきはハリス切れが1回も無かったことだ。使用ハリスは2号だったが、強引にやりとりする事により、障害物をさける事が出来たという事だろう。私のクロダイ前打ちメインロッドに近い取り扱いの出来るものだと感じた。ただし道糸の出し入れにはUガイドならではのデメリットがあり、終日釣りをすれば数10回は打ち込み損が生じそうだ。何よりも超前が打ち難い。
2004年9月4日(御前崎港)
このロッドはVジョイントでは無いがパワーは十分あると感じた私はこのままイシダイにも使ってみることにした。幸い時合いを見極めながらイシガキダイの41cmを掛けることができたが、イト出し無しの真向勝負のやり取りでは正直ギリギリだったと思う。これはケーソン平場で取込んだから良いものの、ロッドが硬い分、魚が良く暴れる傾向が感じられ、テトラ等ではこれ以上のサイズがきた場合は厳しいかも知れない。しかしパワーはクロダイ前打ちロッドとしては十二分だと感じた。
こんなロッドを完成させているとは、お世辞抜きで流石に国内トップメーカーだと感心すると同時に、興味津々であるVジョイントに仕立てた更に強い対イシダイ前打ちロッドに、もはや気持ちは集中するばかりだった。
予断だが、実は我々の時期前打ちロッドは貴社のVジョイント搭載磯竿改良も視野に入っているのだった。
さて、伝えられた今回のコンセプトは以下の通りである。
確かこんな感じだったと思うが、まずは私の使用する対テトラクロダイ前打ちロッドを開発技術に見せることから始まった。適当に数本送ると返答は、この程度のロッドであれば既存の製品群の範疇であると言う。当然と言えばそうなのだが、流石にメーカーの技術も私が先に述べたような見識を持っている。それではと磯竿改スペシャル版を送ることにした。結果、先に私が送ったロッドとは全く別物という意見を頂き、とりあえず試作ロッドを作り送るとのことである。(9月中旬)
2004年9月18日(鵜殿漁港)
試作ロッドの製作が間に合わず手元に届いていないが、イシダイは待ってくれない為、釣行計画を遂行する。この日は私の対イシダイ前打ちロッドを使用し、デカパンのやり取りを再確認することが狙いだった。幸運にも62cmとの格闘を展開でき、一部始終を更に深く体に染込ませて、試作ロッドを楽しみに待つ。ちなみにやり取りは限界時点での少々のイト出し有りで、所要時間は約2分弱といったところだった。私のイシダイ前打ち釣りでの平均的なものだが、前回のようにT超硬-53UMを使用し、このサイズのイシダイの引きに耐えれば、ロッドは破損したかもしれない。
このやり取りをクロダイに対して(外道でクロダイが掛かる場合等)行うと、50cmクラスでも20秒程度で浮かせる事が可能だが、普段のクロダイ釣りでは行わないので誤解の無いよう。我々のイシダイ前打ち釣りは根本的にクロダイのそれとは違う事を認識願いたい。
2004年11月3日(清水港)
待ちに待った試作ロッド(タイプA)が手元に届いた。早速実釣に走り、クロダイの良型とサンバソウの40cmクラスを掛けてみた。当り前ではあるが、クロダイは余裕のやり取りが可能でパワーに関しては申し分無いと実感した。それより気付いた点はサンバソウとのやり取りでの事だ。
普段このサイズだと一般のUガイド前打ちロッドでも十分射程範囲になるのだが、トコを切った後相応な締め込みがあるものだ。既存の磯改良ロッドの場合はその締め込みをロッドの硬さで強引にいなして、無理やり引き上げるようなスタンスなので、その分釣り人側での腕力も必要なのだが、このタイプAではちょっと違っていた。なんと言うか、我々のイシダイの前打ちはとにかく海底を切る為、アタリがあってアワセと同時にロッドに魚を乗せ、そのパワーを最大限に発揮すべき、スタンドスタイルで両腕が頭上にくる位に、一気に魚に気付かれぬ内に素早く立てきるのだが、この時掛かった魚のサイズによってその後の展開が大きく違ってくる。今回のサイズであれば立てきった時点でのロッドの曲がりは瞬間的に満月から5分程度に回復しており、素早く余計な道糸を巻き取り、ここから心地よい締め込みを堪能しながら浮かせ取込むわけだが、タイプAでは何と立てきった後のロッドの曲がりは満月状態から穂持ちが曲がる程度(胴はほぼ真直ぐ)まで回復している。これは同タックルで25cm位のワッペンクラスか外道の良型カサゴを掛けた時の様で、魚が小さいと錯覚してしまった。
水深が14m程あるので、回収にいちいちリールを巻き取るのが面倒であり、イトを手に取って引き上げにかかった途端に暴れ出したコイツは姿を見るまで頭の中でのサイズがマッチしていなかった。素早いアワセとロッドによる魚の初期の床切りに、反動がピッタリ追従してくる様な感じだ。初めにトコをどれだけ切る(魚を浮かせる)事ができるかが勝負に多大な影響のあるイシダイ前打ち釣りにも使えると感じた。これがVジョイントの威力?何かが今までと違うと感じた事を収穫に、このサイズでは限界には程遠いので、早く50cmオーバーのイシダイを掛けてみたい衝動にかられる。ただし、相変わらずイトの出は最低で、特に濡れた場合にはロッドを大きくシャクル必要がある。勿論こんな深いフィールド以外であれば気にはならないのだが。
2004年11月23日(尾鷲港)
このロッドは負荷が乗った場合の反動がなんか違うと感じた為、それを体感すべく適当なターゲットとしてグレを釣ってみた。35cm迄を11枚連続で釣り、やり取りは例のごとく強引にして抜き上げる。この時にロッドの反発力とグレのスピード感あふれる走りの相乗効果で、浮いてくる勢いと抜く時にグレの海面からの切れが良く、まさしく飛んでくる様な感じがする。グレがこのサイズであるから出来ることかも知れないが、魚の走る方向をロッドで変えるのも容易に感じられた。グレが少しでも足を止めようものなら、ロッドの立てた方向に即座に浮きの気配が感じられる。同サイズのクロダイであれば普通は楽勝だろう。こんなパワーは本来のクロダイ釣りには必要はないかも知れないが、時として必要不可欠なフィールドもあり、今から楽しみだ。
2004年12月28日(尾鷲港)
この日は幸運にもキビレの52cmとのやりとりを経験できた。クロダイと比べ同サイズであれば、体高がある分キビレの方が引きが強いとも言われるが、当然のごとく糸出し無用の引っ張り合いで仕留める事ができた。
水深が1.5m程の浅場で掛けた事もあり、最初はサイズに見合った重量感タップリの引き味を見せ、数回ノサレそうになるが全てタメる事ができ、特質すべきはタメ切った後に魚が押し戻される様な妙な浮き方をする事だ。
これがVジョイントの威力か?もっともこんなギリギリのやりとりは普段平場ではめったにしないが、限界時に生きてくるものと実感する。これならテトラや障害物の中からクロダイを抜き出す事も可能だろう。
ただ、これだけレスポンスの良い釣りが展開できるので、もう少し軽量化するか重心をバット方向に持ってくると、更に操作性がアップすると感じた。
*東海釣りガイド05年4月号掲載
2005年2月26日(宇久井港)
この日はちょっと趣向を変え、タイプCが本領を発揮すべきフィールドへ出かけてみた。
和歌山県宇久井漁港の漁船が係留してあるこのポイントでは、食わせた魚を船の間から引きずり出さなくてはならず、一般のタックルでは少々つらい。悠長にやりとりしていたのでは、係留ロープに付着しているカキガラなどでハリスが飛ぶこと請合い!
そんなポイントならではの結果が期待できそうだった。1月中旬に05年度カタログ用撮影もここで行い、生憎その時は貴社スタッフの到着時点には釣れなかったが、今回はキビレの45cm迄を数枚とクロダイの55.5cmをスロープ段差から引きずり出すことができた。
水深が2mほどの浅いポイントで掛けたクロダイはこのクラスになると相当な引き味なのだが、難無く(ダメかも知れないと思わせない)寄せることができ、このロッドは釣り人側のテクニックに追従するレスポンスが高いことを改めて実感する。ただ、やや穂先が硬いようで、厳寒期ならではの超繊細な前アタリを取りづらく感じた。
*東海釣りガイド05年6月号掲載
2005年3月9日(名古屋港)
今回はVジョイント以外の同等パワーを有するロッドで限界を試すべく、再度T超硬-53UMをもって朝まずめの名古屋港のバイルからクロダイを引きずり出し、タイプCとの違いを体感してみることにする。幸い51cm迄を5枚釣り上げて、素直な印象を得ることができた。
まず、確かにT超硬-53UMは硬くてパワーがあるが、掛けたクロダイが必死になることも多く、人の腕力も必要になるようだ。浮かせるにはそれ相応の強引なやりとりが必要で、自信の無い(タックルバランスの把握が出来ない)者にはちょっと抵抗があるかもしれない。バラしたクロダイも多くその殆どは針ハズレだった。ちなみに当日の仕掛けは道糸3号ハリス2号のチヌ針5号で針オモリ3Bだった。
2005年3月16日(名古屋港)
今回はタイプCを用いて前回同様にクロダイを狙ってみた。同じ仕掛けで同じポイントを攻め、やりとりも同じだ。結果は53.5cm迄を6枚ゲットしたが、思うに納竿時の腕の疲れが無い。普通短時間でこれだけ型を揃えれば腕に疲労感が残ってもおかしくないのだが、どうもこのロッド自体の仕事量が多いようだ。張力の抜けがスムーズなのでそう感じるのだろう。なるほどVジョイントの感覚をたっぷりと体で覚えることができたひと時だった。
2005年3月26日(大阪港)
今度は大阪でクロダイを攻めてみた。ここは鉄骨の間に仕掛けを投入してその下に居るクロダイを食わせ引きずり出す釣りだ。鉄骨の間隔は最大で約3m程しか無く、糸出しすればたちまち格子状の鉄骨でラインブレイクする非常にやっかいなポイントだ。
今までは硬調のロッドで走られない様に強引にやりとりをしたり、対イシダイ用改良ロッドでクロダイが泳ぎだす前に無理やりひっぺがしていたが、50.5cm迄のクロダイを12枚、タイプCで思惑通り釣ることができた。一言で言うなら暴れず浮かすことが容易に感じられ、クロダイが何処へ行こうが迷っている内に気が付いたら海面!なんて調子のやりとりができる。したがって浮かせてから速やかにタモ入れしたクロダイはまだ元気ハツラツで堤防上でなかなかじっとしていない。 この頃からタイプCを使用した釣りが一心同体の如く満喫できるようになり、どんなシチュエーションでも何とかなると思えるほどに至った。
2005年4月9日(名古屋港)
今回は排水口で激流の中から良型クロダイを引きずり出すパワーを試してみた。私自身は50cm迄を12枚取り込み感じた事は、普通クロダイがこの流れに乗ると寄せるのに一苦労するが、このタイプCでは気がついたら沖の海面でバタバタするケースが多かった。大味で少々釣り味が劣るが、これでこのロッドのパワーが実証されたと思う。また固めに感じていた穂先もこのような場所では重い仕掛けにも対応できて良かった。
2005年5月14日(清水港)
そろそろ外洋のテトラ帯でもクロダイが食いだすシーズンになってきたので、静岡県清水で巨大テトラに乗ってクロダイを攻めてみた。50cmクラスを4枚釣り上げ、全て納得のいくやりとりができた。
このロッドのコンセプトはほぼ完成していると言える。わたしはただこのロッドのポテンシャルを証明しているだけのことだが、なかなか我々のような釣りをする者は居ないように感じる。真似をする者は居るには居るがが、わたしに言わせれば経験不足で道具のポテンシャルを引き出すに至っていないと思う。そんな中今回開発中のロッドは、容易にこの世界に入りやすいと感じた。 敷居が低くなることで、超強引な前打ちや、更にイシダイ前打ちに入り込む釣り人も増えるかも知れないと感じた。
気になるのは相変わらず糸の出がスムーズでは無いことだが、今回はUガイトで行くと言うことなので仕方が無いか。
2005年6月11日(西宮港)
この日は兵庫県西宮で48cm迄のキビレとクロダイを60枚釣った。フィールドが平場のケーソンなのでどんなタックルでも大差なく釣れるのだが、これだけ釣れるとタモ入れが面倒になる。何かを試したくて、丁度良いのでロッドで抜いてみることにした。過去には磯改良ロッドで50cmクラスのクロダイを抜いたことがあったが、今回も余裕で48cmのキビレを抜くことに成功し、その時のロッドの曲がりがキレイでパワー共々本当に気に入った。このロッドで早く50オーバーのイシダイと格闘したいものである。
*東海釣りガイド05年9月号掲載
2005年7月14日(若松海岸)
完成したMS-53Uが送られてきたので、最適なフィールドとして三重県若松海岸にあるテトラ帯で雑誌の取材を兼ね実釣することにした。46cmのクロダイをテトラの穴から強引に引きずり出す絵も撮れ、思惑どおりの展開ができ、名実共にこのロッドは私のメインロッドの仲間入りをした。
ただ、Uガイドは穂先を除き全て取り外してテレガイド使用に改造した。こうしないと自分の釣りができない為である。
*東海釣りガイド05年10月号カラーグラビア掲載
*釣りサンデー05年10月号記事掲載
*東海釣りガイド06年1月号改造記事掲載
2005年8月1日(常滑港)
この日は新しいフィールドとして誕生した常滑新空港のスリットボタで、目印を使用したライトタックルで試してみた。1.5号ハリスを使用し、47cm迄のクロダイを18枚釣り上げたが、ハリスの限界を十分に引き出すロッドの仕事ができるようだ。良くあるただ硬いだけのロッドでは、限界時点で細ハリスは簡単に飛ばされる事が多いが、これもVジョイントの威力なのか?
やりとりの時にタックル全般に掛かる力を、ロッドが旨く吸収するかのごとく、ボトルネックになるところに集中し難いのだろう。今まで試してきた超強引な常に先手を取ったやりとりの場合に、時々針(チヌ4号)が伸びる事があったが、それはこのロッドの強さを証明しているものだと思う。
しかし、今回の様にのらりくらりと魚に主導権を明け渡したものでも、それなりにタメを利かせハリスをかばいながら浮かせる事が可能だった。適合ハリスは1.5号からでも十分だろうと感じた。
2005年9月18日(焼津港)
今回は待ちに待ったイシダイとの激闘が展開でき、この事実がMS-53Uの完成度の高さを証明した。55.5cmのイシダイとの格闘は私自身珍しいものではないが、はじめの突進とトコ切れさえ成功すれば、クロダイのそれと比べ時間がかかるだけで、釣り手側はそれにどれだけ耐えられるかのみにかかってくる。所謂限界時の藁をも掴む心境時点で、ロッドがどれだけ仕事をしてくれるかによって、最終的に魚の浮きが変わってくるもので、MS-53Uは見事に期待に応えた。
ただし、今回のイシダイは超前(約20m前)で釣ったもので、ノーマル(私のはテレガイドに改良済)のUガイド仕様では土俵に入れなかったかも・・ 何よりもこんな限界の釣りを何度もするにはUガイドは強度不足だと思うし、ラインに対する優しさも無いだろう。いずれにせよ目標は達成され、冒頭にも述べた「自分好みのオリジナルロッドが出来るという仮定」が現実のものへと一歩近づいた。
*東海釣りガイド05年12月号カラーグラビア掲載
*釣りサンデー06年1月号カラーグラビア掲載(これ以外でイシダイ前打ち企画)
2005年11月3日(名古屋港)
番外編として、パワースピード共に兼ね備えた好敵手であるGT(赤ちゃんだけど)に挑戦してみた。写真は当日のものでは無いが、赤ちゃんと言えど50cmクラスのロウニンアジのスピードはイシダイやグレを上回り、クロダイの比ではありません。
コイツは死滅回遊で名古屋港にも入ってくるが、温排水口などで越冬する個体が居り、この時期このクラスになると、もっと冬も深まり低水温でヨタってくれば別として、大抵のクロダイ釣り仕掛けでは取り込めないでしょう。イシダイと同等の限界感を味わうことのできるナイスファイターだ。
結果オーライで予想通りの仕事をしてくれたMS-53Uを、もはや私は手放せない。欲を言えば、望むべきは私が改造している様に、穂先以外はUガイドを止め、穂先をもう少し柔らかくし、Vジョイントの効果を更に高めるべく4ピースのロッドが誕生すれば、5kgクラスのクチジロにも対応できる?と信じている。
*東海釣りガイド06年1月号改造記事掲載
まとめ
今回は縁あってMS-53Uの開発に協力させて頂いたわけですが、私なりに精一杯行動したつもりです。言いたい事は細かい事も含めると沢山ありましたが、今考えますと何分こちらから送ったロッドを基にして製作されたプロトタイプが、全て非常に完成度の高いもので、私はただただ釣りに没頭することが出来ました。
テストでの実績
ターゲット | 最大サイズ |
総匹数 |
備考 |
クロダイ | 55.5cm |
778枚 |
キビレ含む |
イシダイ | 55.5cm |
40枚 |
イシガキ含む |
グレ | 35.0cm |
46枚 |
オナガグレ含む |
スズキ | 71.0cm |
111本 |
ヒラスズキ含む |
根魚 | 39.0cm |
223匹 |
カサゴ、メバル他 |
青物 | 50.0cm |
219本 |
ロウニンアジ他 |
その他 | 80.0cm |
219匹 |
コブダイ、アカエイ他 |
実釣の段階では、本当に折ってやる意気込みで、限界釣りに着手してきましたが、どんなに満月になろうとも折れませんでした。また折れるかもと思うことも少なく感じました。この事は私の釣り経験上、手軽な前打ちロッドの範疇において、私の狙うターゲットとの兼ね合いの中では異例の事実として、昨今の技術力の高さを再認識したと同時に、少年時代に戻ったごとく、燦然と輝く一流メーカー「ダイワ精工」に対する憧れを思い出させてくれました。大変良い経験をさせて頂き、関係者の方々に深くお礼申し上げます。
今後の活動
我々東海波止釣研究会は、今後も更に自然を愛し、釣りを楽しみ、他人に迷惑を掛けない活動をして行きます。そして出る釘が打たれるならば、手過ぎた釘はどうだろうか?のスローガンで、メジャー釣り場、人気フィールドへの更なる釣行は勿論のこと、「瑠璃も玻璃も照らせば光る」の心構えで釣行するでしょう。釣りを心の栄養としている以上よりカロリーの高い、崇高の世界を目指して!
2006年3月
東海波止釣研究会