身体を心地良く包む暖かい日差しに、春真っ盛りを感じるこの頃。待ちに待った乗っ込みクロダイのシーズン到来だ。「さて、どこに出掛けようかな?」と頭を悩ませているアナタにおすすめなのが、静岡県富士市の田子ノ浦テトラ。
この釣り場は、真冬でもオフのないクロダイ、グレの好釣り場としてお馴染みのところで、今シーズンも1月、2月と順調に釣れ続いている。砂浜に点々とテトラが並んでいるだけで、遠目にはさほど魅力のない海岸線なのだが、巨大なテトラが複雑に入って積み上げられることにより、魚たちの格好の棲み処となっているのである。ここでのクロダイ狙いはオキアミコマセのウキフカセ釣りが基本となり、いかに足もとのテトラの穴からエサを拾いに浮かせるかがコツ。そのため、少しでもクロダイの警戒心が弱まる濁り、波という条件が釣果を大きく左右することになる。「4、5日前だけど、いい釣りしたよノ」と連絡をくれたのは、今月号から「前打ち進化論」の連載を引き受けて下さった石見和則さん。話を聞いてみると、午前中の2、3時間ほどだけサオを出して、48cmを頭に何匹か仕留めることができたという。取材日の2月8日は、午前中こそ背風(北風)で波もなく苦戦させられたが、徐々に風向きがかわって東や南東の風となって海がザワつき出し、好気配へと切りかわった。結局、午後3時までに32〜43cmのクロダイが4匹、そして46cmのアイナメのおまけ付きという、早くも全開と言って良い結果が得られたのである。
この調子なら4月の本番も期待大。天気が崩れる前の、海寄りの風が吹く日などにうまく釣行できれば、釣果は約束されたようなものかもしれない。
ただし、巨大なテトラでの釣り、そしてテトラによっては高い足場からの釣りとなるため、足もとの装備は万全に。柄ダモも5〜6mクラスの長めのものが必要となる。