クロダイ、イシダイの前打ちでの釣り方

名古屋釣法とは?

 

 日本という国は海産資源が豊富で、魚との関わりは広く、古く、深い。漁法は元々生活の糧として発展してきたが、釣りと言われる概念が誕生した時、一大センセーショナルが吹き荒れた事は容易に想像がつく。
 当時の道具は非常に貧弱で、今とは比べものにならなかっただろうが、その日の糧を左右するだけに、魚対人の一対一の駆け引きが釣り人を夢中にさせ、更にきっと漁の中に楽しさを見出したに違いない。
当時の様子を想像してみると、針は魚や動物の骨で、糸は繊維を編み込んだものか?オモリにそこらへんの石っころを結びつけ、最初は竿など無かっただろう。
 直接手でアタリを取り、魚が食ったら慌てふためく様が想像出来る。きっと仕掛けのトラブルも多く、大物は取り込めたか疑問である。その内、魚の強引をいなす為に釣り竿が使用されるようになり、鉄器時代になると、格段に進歩した釣具により、釣果も倍増した事だろう。
 江戸時代になると、各釣りのジャンル、地域性も加味され更に発展し、今日の釣りの基礎はこの時代に確立されたと言って良いだろう。
昭和に入りナイロンラインとグラスファイバーロッドの出現で、釣りは一部のプロ(職漁師、釣道家)以外の庶民にも更に浸透し、現在では代表的国民レジャーとして受け入れられている。

 

 さて、ここで現代の釣りに最低限必要なアイテムを考えてみよう。
一般的には針、糸、オモリ、竿、エサの5つが揃えば釣りが可能であろう。あと、ウキやリール、目印等が考えられるが、無くても形としては成り立つ。これらは、原始の釣りと何ら変わらず、釣りの基本ここに在りと言えるものだ。
 原始の釣りは現在進行形の釣りスタイルである「ミャク釣り」や「フカセ釣り」に継承され、今日も全国的に通用している。

 

 

 

 

 

 これらの長所を合わせ持ち、波止を中心に生まれた釣法を「名古屋釣法」と言うのだ。こんな事は全ての釣りに当てはまり、今更なんて気もするが、「名古屋釣法」が、前述した原始の釣りの基本スタイルのベースを忠実に発展させている事を言いたいのである。特徴的なものに「針オモリ」と「Uガイド竿」が上げられるが、これはクロダイを釣る為に更に傾向を絞り込んだ結果生まれたものだ。
 リールは使用するタックルバランス以上の魚に対応する場合や、探る範囲(水深や落とし込む位置)が竿の長さに影響されない為に必要なもので、アタリは穂先と糸筋で捕り、目印仕掛けも多用する。
 穂先中心でアタリを捕るスタイルを「前打ち」と言い、堤際などを中心に落とし込み、目印仕掛けでアタリを捕るスタイルを「ボタ釣り」と言う。

 

 当然これらに明確な区別は無く、両方兼ね備えて釣る事もある。前打ちでは、探る範囲を広げる為に仕掛けの重さを調整し、更に前を打つ「超前〜超々前」なる釣法が在るが、ある程度飛距離が出ると「ブッコミ釣り」や「ウキフカセ釣り」の長所も取り入れる必要性が生じてくる。すなわち、道糸が潮流から受ける影響や、誘いの仕方、アタリの出し方、アワセどころの把握や、何よりもリールの選択も必要だろう

 

 

 

 我々東海波止釣研究会は「名古屋釣法」の可能性を追求し、これで釣れない魚は皆無であると確信しています。

前打ちタックル

 ちぬ倶楽部 2007年 6月号 名手のタックルウォッチング 中京の前打ちスペシャリスト

 



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